リビングを通ってキッチンに入ったら、
 千柳様がいらっしゃる。



 ――千柳様とキッチンに二人だけ。


 付き合って初めての
 シチュエーションだと思うと、
 勝手に心拍が早まってしまう。




 わ~~。
 ドキドキしてきた~。



 私の心臓、大丈夫かな?


 私のために早起きして
 料理を作ってくれた千柳様を目の前に、
 心臓が止まっちゃったりしないかな?




 ずんずんと火照っていく頬に手を当て。

 体中の熱を下げるように、ゆっくり息を吐き。



 大好きな人に向ける笑顔の練習をしながら、
 リビングを通りぬけ。

 私は、ゆっくりとキッチンのドアを開けた。




   ☆キッチンで二人きり編に続く☆