「天音君……なんで怒ってるの?」


「せっちゃんが、
 千柳さんを甘やかしすぎだからでしょ!」


 それって、怒るようなことかな?


 
「天音君に迷惑をかけたことなんて、
 無いと思うけど……」


「へ~。
 これを聞いても、そんなこと言える?」




 だから、天音君。

 悪魔に乗りうつられた顔を近づけるの、
 やめてよ!



 少しでも、天音君から逃げたくて。

 私の左頬が壁に当たるくらい
 顔を真横に背けた。



 でも天音君の攻撃は、
 一向に弱まる気配がない。