人参、ほうれん草、玉ねぎを炒めながら、
 千柳さんの方をちらり。


 ボールに向かって、
 お経のように何かをつぶやきながら、
 真剣に卵をかき混ぜている。




 怖っ。

 でも……



 不気味を通り越して、僕はまじまじと思った。

 『千柳さんのことを心から尊敬する』って。