「千柳さま、これって……」
「今日のステージは、
雪那が夢を叶える第一歩でしょ?
頑張る雪那に、俺からのプレゼント」
「そっ……そんな。いつも千柳様から、
頂いてばかりですし……」
「もらってばかりなのは、俺の方だよ」
「え?」
「雪那が俺のそばにいてくれて。
俺に笑いかけてくれるだけで。
抱えきれないくらいの幸せを、
もらっているんだからね」
千柳様は私の腕を、力強く引っ張り
テントの入り口付近に連れてきた。
私を見つめる、熱のこもった瞳。
視線が絡んで、ほどけない。
千柳様の魅力に
吸い込まれそうになるほど。



