俺も心美も、目が点。
合格って、何?
意味不明すぎて
俺も心美も、
抱きしめた腕をほどいちゃったし。
「僕が心美ちゃんに壁ドンしたら、
綺月君に顔を殴られるだろうなって
覚悟してたのに。無傷って奇跡だよ」
さすがに、天音の顔は殴んねぇよ。
オマエの王子様顔は、
ゾルックの最高の武器だからな。
「天音に褒められてるって、
思って良いんだよな?」
「綺月君の飛躍的な成長。
頭ナデナデもんだね~」
「天音、気安く俺の頭を撫でるな!」
俺の吠えを
満面の笑みでかわした天音。
「じゃあ、心美ちゃんに触っちゃお」
今度は、心美の頭をポンポンした。
心美に触んな!って、怒ろうと思ったけれど
腹の中に、怒りを押し戻す。
だって。
「心美ちゃんも、変われたみたいだね」と、
天音がお兄さんぽく、微笑んだから。



