「心美ちゃんに、『消えろ』って
 酷いこと言ったの、どこの誰だっけ?」


「俺……だけど」


 天音、キレすぎ。

 声がデカくて、耳痛いんだけど。



「どうせまた、
 心美ちゃんが男の子と話すだけで嫉妬して。
 『無視しろ』って、怒鳴るんでしょ?」


「もう言わねぇよ」



 そのままの心美のことを、好きでいるって
 誓ったんだから。



「じゃあ、今、ここで証明して」



 天音はリビングに戻ると、
 心美の腕を引っ張って、戻ってきた。



「心美ちゃん。
 今から僕と二人だけで、お話しよっか~」



 さっきまで、鬼のように
 目をとんがらせていた天音なのに。

 心美には、天使顔でニコっ。




 不安そうに俺を見つめる心美に

 『天音の言う通りにして』と、
 俺は、まばたきで伝える。