「綺月、いい?」


「は?」


「絶対に、手前の部屋はのぞかないで。
 チラッとでも見たら、
 綺月のこと、異世界に飛ばすから」



 呪いがかった顔で、
 マネージャーに念を押されたけれど。



 なんだその、現実味ゼロの脅し。 

 全然、怖くねぇし。



「異世界って。鬼マネージャーも
 メルヘンチックな妄想をするんですね~」


 いじり笑いを返すほど、心が軽くなった俺。




 この後、マネージャーのマンションを
 教えてもらい。

 俺は一人で、心美に会いにった。