ひっきりなしに流れる涙を、
 拭って、拭って。

 私は、綺月君の前に進んだ。


 そして、なんとか笑ってみた。


 
 でも……


 荷造りしている綺月君と目が合ったのに、
 フッと逸らされてしまい。

 辛くて、笑顔が崩れそうになる。



 
 しゃがみ込んでいる綺月君は
 私を見ようともしない。


「自分の部屋に戻れよ」と
 不愛想な声を発しただけ。