「オマエの彼氏は、俺じゃねぇのかよ!」 煮えたぎる怒りを爆発させたような、 綺月君の怒鳴り声。 なんで私、怒鳴られてるの? あまりの怖さに、 頷くことすらできないよ。 「なぁ、答えろよ!」 体中の怒りをぶつける様な怒号に 声の代わりに 私の瞳から涙が溢れた。 「心美のそういうとこ、マジでムカつく!」 え? 「都合が悪くなると黙る癖、 どうにかしろって言ってんの!」 怒り狂う綺月君の顔が 私の顔に迫ってきて。 後ろの壁に阻まれ、逃げ場のない私は、 顔を横に向けるのが精いっぱい。