ちょっと、待って!

「綺月、雪那に電話をかける気?」



「雪那がなんでそんな態度取ったか、
 本人に聞くしかないでしょ?」



 そうだけど……
 

 って。綺月は何もしないで!

 俺たちの仲を
 ぐちゃぐちゃにするだけだから!



「あ、雪那? 綺月だけどさ」


 ……
 ……

 止める間もなく、雪那と繋がっちゃったし。




「千柳がさ、
 オマエに聞きたいことあるらしくて。
 今、変わるから」


 ムチャぶり、やめて!

 雪那と話す心の準備、できてないんだから!



「ほれ」っと、腕時計を投げられ、
 俺は体を起こしながら、キャッチした。



 しょうがなく……

 畳の上に正座をして
 腕時計を耳に近づける。