「もうすぐ 4時間目が始まっちゃうよ」 掛け時計を指さす天音君の声に 救われるように 私は自分の教室に逃げ帰った。 でも…… お弁当を拒絶する 綺月君の顔が思い浮かんで。 胸が苦しくて、また涙が溢れそうで 歪んだ顔を、机に伏せるのが精いっぱい。 「心美ちゃん、何かあった?」 肩ごしの斎藤君の声が、 やけに優しく感じちゃったけれど。 「私に……話しかけないで……」 自分でも最低だと思う程、不愛想な声で 私は、斎藤君を追い払ってしまった。