見られたら大変なことになる。
そんなこと、わかっているのに。
心の痛みに堪えられなくて。
涙をこらえて、立っているのがやっと。
その時。
「資料室に来てって書いてあるけど。
何、この紙」
お弁当ポーチを覗き込んだ女子に、
カードを見られてしまった。
「天音君からのお弁当って、
心美ちゃんの嘘なの?」
……バレちゃった。
「綺月君と二人きりになりたくて。
こんな卑怯なことをしたの?」
綺月君の周りを取り囲む
女子の冷たい瞳は、
まるで尋問する刑事のよう。
「信じられな~い」
「こんな子だと、思わなかった」
私を非難する声は止まらない。



