蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集


 
 

「綺月君から、
 天音君に返してもらえないかな?」



 綺月君の体にお弁当を押し当てて、
 この場から逃げようと思ったのに

 綺月君は
 受け取ろうともしてくれなくて。



 お弁当が入ったポーチは
 そのまま地面に落下。



 衝撃音が耳に突き刺さった瞬間。

 私の頭の中に
 何かを諦めたような感情が
 ドバっと流れ込んできた。





「天音君の手作り弁当?」


「綺月君が食べないなら、
 私がもらってもいい?」


「ずるい、私も食べたい」



 早く、お弁当ポーチを奪い取らなきゃ。

 私が綺月君に書いたメッセージが、
 入っているんだから!!