「何?」 綺月君の冷酷な声に、 女子たちが一斉に私を見た。 「俺に用なんでしょ? 違うわけ?」 綺月君、声低すぎ。 怖いよ…… 「私ね、天音君から…… 綺月君にお弁当を渡してって 頼まれて……」 「いらない」 「えっ?」 「悪いけど、天音に返しといて」 綺月君は、私が作ったお弁当だって わかっているはずなのに。 鋭い目つきで、拒否られてしまった。 うっ…… みんなの前なのに 涙がこぼれそう……