「千柳さんがせっちゃんLOVEを語ってる間に、
 ほとんど僕が干したんだからね」


「天音は手際が良いよね。
 俺と雪那が結婚したら、家政婦として雇ってあげる」

 
「僕をノロケ殺す気? 
 やめて! 僕、倒れるから!」




 にんまり笑顔の千柳さんと
 ガオガオ吠える天音君との温度差に、
 私の口から笑いがこぼれたのに。


 すぐに
 冷え切ったため息に変わった。




 ここに綺月君がいたら

 もっとわめきが多くて、騒がしくて。
 普段通りの朝だったのにな。