「千柳さ、ライブ前に
 雪那とうまくいったんじゃねぇの?」


 うっ……

 今度は、綺月からの攻撃来たぁ。



「一応……隠れメイドから……
 隠れ彼女になってくれたけど……」


「じゃあ、わーいわーいって
 畳の上を転がってろよ」



 綺月、わからないの?

 そんなハイテンションになれないから、
 畳に寝そべってるんじゃん。




「だって握手会の時の雪那が……
 一ミリも笑ってくれなくて……」


「そんなことで落ち込むとか。
 マジでダッサ」



 天使みたいに綺麗な顔の天音に、
 悪魔みたいに冷え切った目で
 睨まれた俺。



「天音、これ以上、千柳を追い込むなよ。
 雪那のこととなると、
 身投げしてもおかしくねぇから」

 と、俺をかばった綺月に続き。


「じゃあ、千柳さんのこと甘やかしてあげる」

 天音は清らかな笑顔を俺に向け


「はい、せっちゃんの制服クッション」

 寝そべる俺に、クッションを押し当ててきた。