しかし、主役の一人である新婦の姿がまだない。本来ならば、とっくに到着していてもおかしくない時間だ。新郎と新婦は、結婚式前に段取りの最終打ち合わせがあるのだから。
(今日は悪天候でもないし、遅れる場合は前もって知らせが届くはずだ。それがないということは、まさか彼女の身に何かあったのか……?)
嫌な予感が体を駆け抜ける。
それを裏付けるように、二階の貴賓室に向かって慌ただしい足音が近づいてくる。続いて焦ったようなノック音。キールが慎重に扉を開けると、見慣れたメイドが鬼気迫る顔で告げた。
「た、大変でございます……!!」
「そのように慌ててどうした? 一体、何があったのだ」
「エステリーゼ様が乗っていた馬車が崖から落ちたようです。先ほど、生存者はゼロとの早馬が……っ!」
信じられない報告に俺は目を見開いた。
黒いインクをぶちまけられたように、目の前が真っ暗になる。
(嘘だ……エステリーゼが死んだ? そんな、ばかな……)
本当ならこの大聖堂で結婚式を執り行うはずだった。
花嫁を乗せた馬車を王都で出迎え、俺たちは天空神の前で生涯の愛を宣誓する予定だった。
「…………なるほど、これが俺の罰か」
俺の独白に不穏な気配を感じてか、キールが心配な顔で見つめてくる。
「ジュード様、顔色が真っ青です。大丈夫でございますか」
(今日は悪天候でもないし、遅れる場合は前もって知らせが届くはずだ。それがないということは、まさか彼女の身に何かあったのか……?)
嫌な予感が体を駆け抜ける。
それを裏付けるように、二階の貴賓室に向かって慌ただしい足音が近づいてくる。続いて焦ったようなノック音。キールが慎重に扉を開けると、見慣れたメイドが鬼気迫る顔で告げた。
「た、大変でございます……!!」
「そのように慌ててどうした? 一体、何があったのだ」
「エステリーゼ様が乗っていた馬車が崖から落ちたようです。先ほど、生存者はゼロとの早馬が……っ!」
信じられない報告に俺は目を見開いた。
黒いインクをぶちまけられたように、目の前が真っ暗になる。
(嘘だ……エステリーゼが死んだ? そんな、ばかな……)
本当ならこの大聖堂で結婚式を執り行うはずだった。
花嫁を乗せた馬車を王都で出迎え、俺たちは天空神の前で生涯の愛を宣誓する予定だった。
「…………なるほど、これが俺の罰か」
俺の独白に不穏な気配を感じてか、キールが心配な顔で見つめてくる。
「ジュード様、顔色が真っ青です。大丈夫でございますか」



