「無理でしょう。だって、あなたはまだ爵位を継いでいない。貴族の子どもの婚姻は当主に決定権がある。わたくしたち当人の意思は考慮されない。結婚が家同士の結びつきを強めるのが目的なら、わたくしが口出しする問題ではないわ」
俺がどれだけ君を想っているのか、エステリーゼは知らない。
だからこその発言なのだろう。そう頭では理解できるも、その事実は俺をどん底に突き落とすには十分だった。言葉を失う俺を尻目に、エステリーゼは何かに気づいたように話を続けた。
「ああ……それとも、第二夫人候補の相談? あなたがわざわざ花を買いに行くほどだものね。よっぽど魅力的な女性なのでしょう」
「ち、違う……!」
「別にわたくしに遠慮せず、好きにしてもらって結構よ。もともと、わたくしたちの間に愛などないのだから。たとえ愛のない結婚でも、次期当主として恥ずべき行いをしないのであれば何も言わないから」
彼女の口から愛のない結婚だときっぱり言い切られて、俺は面食らった。
このときばかりは己の羞恥心に構う余裕などなく、本音を彼女にぶつけていた。
「頼む、聞いてくれ。俺は第二夫人は娶らない。伴侶は君だけだ」
「…………。気が変わったら、いつでも言ってくれていいのよ? これから素敵な出会いがあるかもしれないし、今ここで無理してわたくしに誓う必要はないわ」
「俺を信じてくれないのか?」
俺がどれだけ君を想っているのか、エステリーゼは知らない。
だからこその発言なのだろう。そう頭では理解できるも、その事実は俺をどん底に突き落とすには十分だった。言葉を失う俺を尻目に、エステリーゼは何かに気づいたように話を続けた。
「ああ……それとも、第二夫人候補の相談? あなたがわざわざ花を買いに行くほどだものね。よっぽど魅力的な女性なのでしょう」
「ち、違う……!」
「別にわたくしに遠慮せず、好きにしてもらって結構よ。もともと、わたくしたちの間に愛などないのだから。たとえ愛のない結婚でも、次期当主として恥ずべき行いをしないのであれば何も言わないから」
彼女の口から愛のない結婚だときっぱり言い切られて、俺は面食らった。
このときばかりは己の羞恥心に構う余裕などなく、本音を彼女にぶつけていた。
「頼む、聞いてくれ。俺は第二夫人は娶らない。伴侶は君だけだ」
「…………。気が変わったら、いつでも言ってくれていいのよ? これから素敵な出会いがあるかもしれないし、今ここで無理してわたくしに誓う必要はないわ」
「俺を信じてくれないのか?」



