ヴァージル公爵家とウォルトン伯爵家で交互に行われるお茶会は、婚約続行のために定期的に行われている。ほとんど会話がないまま終わるが、今日は前もって話があると俺は招待状に一筆書き添えていた。
給仕を終えたメイドが下がるのを見届け、エステリーゼは棘のある声で尋ねてきた。
「改まって一体何の話かしら?」
「…………その……花屋でのことだが」
渋々切り出すと、エステリーゼは最初首を傾げていたが、しばらくして俺が言いたいことに思い当たったのだろう。
「……別に気にしていないわ。愛妾の一人や二人、別に珍しくないでしょう。わたくしだって、その覚悟ぐらいあるわよ」
それは、まるで自分に言い聞かせているような台詞だった。
長年エステリーゼを見続けてきたからわかる。第三者が見たら別に何ともないといった表情だが、本心からそう言っているのではないことぐらい。
(……素直でないのはお互い様だな)
もうじき彼女は王立学園を卒業する。
結婚式を挙げたら、彼女は実家を出てヴァージル公爵家の仲間入りをすることになる。
「一応、確認しておくが……君は俺とこのまま結婚してもいいんだな?」
「いいも悪いも、この婚姻に本人の同意は関係ないでしょう。だって、政略的な契約に基づく結婚なのだから。それとも、わたくしが嫌だと言ったら、あなたの力でこの話を白紙に戻せるの?」
「…………」
給仕を終えたメイドが下がるのを見届け、エステリーゼは棘のある声で尋ねてきた。
「改まって一体何の話かしら?」
「…………その……花屋でのことだが」
渋々切り出すと、エステリーゼは最初首を傾げていたが、しばらくして俺が言いたいことに思い当たったのだろう。
「……別に気にしていないわ。愛妾の一人や二人、別に珍しくないでしょう。わたくしだって、その覚悟ぐらいあるわよ」
それは、まるで自分に言い聞かせているような台詞だった。
長年エステリーゼを見続けてきたからわかる。第三者が見たら別に何ともないといった表情だが、本心からそう言っているのではないことぐらい。
(……素直でないのはお互い様だな)
もうじき彼女は王立学園を卒業する。
結婚式を挙げたら、彼女は実家を出てヴァージル公爵家の仲間入りをすることになる。
「一応、確認しておくが……君は俺とこのまま結婚してもいいんだな?」
「いいも悪いも、この婚姻に本人の同意は関係ないでしょう。だって、政略的な契約に基づく結婚なのだから。それとも、わたくしが嫌だと言ったら、あなたの力でこの話を白紙に戻せるの?」
「…………」



