もともと、キールは信仰心がそれほど強いわけではない。だというのに、そんな彼が毎晩神に向かって祈りを捧げているとは、にわかには信じがたい。
というか、その姿がまったくイメージできない。
「なに? 毎夜、祈りを捧げているというのか?」
「もちろんです。ジュード様の幸せが私の幸せです。主人の幸せを祈るのは普通ですよ」
「そ、そうか……」
「いかがされましたか、ジュード様?」
「できれば期待には応えたいが……その、俺は不器用だから……皆の期待を裏切る結果になるかもしれない。そう思うと……俺はなんて不甲斐ないのだと思って」
自嘲気味につぶやくと、キールは表情を改めた。その顔に同情や呆れの色はない。
彼は数歩進んで俺との距離を詰めたかと思うと、臣下が主に忠誠を誓うように胸に片手を当てる。
キールの覚悟を感じ取り、俺は背筋を伸ばして彼に向き直った。
「ジュード様。婚約者との関係を変えたいと思うのなら、今からでも遅くありません。このクローゼットに眠る贈り物の中から、どれか一つでも渡してみてはどうでしょうか? わざわざ外国から取り寄せた宝石をあしらったブレスレットだって、エステリーゼ様のために見繕ったものですし」
「いやいや、どの面下げて、数年前のプレゼントを渡せと……!? プレゼントすら渡せない男だと自ら暴露しているようなものじゃないか!」
というか、その姿がまったくイメージできない。
「なに? 毎夜、祈りを捧げているというのか?」
「もちろんです。ジュード様の幸せが私の幸せです。主人の幸せを祈るのは普通ですよ」
「そ、そうか……」
「いかがされましたか、ジュード様?」
「できれば期待には応えたいが……その、俺は不器用だから……皆の期待を裏切る結果になるかもしれない。そう思うと……俺はなんて不甲斐ないのだと思って」
自嘲気味につぶやくと、キールは表情を改めた。その顔に同情や呆れの色はない。
彼は数歩進んで俺との距離を詰めたかと思うと、臣下が主に忠誠を誓うように胸に片手を当てる。
キールの覚悟を感じ取り、俺は背筋を伸ばして彼に向き直った。
「ジュード様。婚約者との関係を変えたいと思うのなら、今からでも遅くありません。このクローゼットに眠る贈り物の中から、どれか一つでも渡してみてはどうでしょうか? わざわざ外国から取り寄せた宝石をあしらったブレスレットだって、エステリーゼ様のために見繕ったものですし」
「いやいや、どの面下げて、数年前のプレゼントを渡せと……!? プレゼントすら渡せない男だと自ら暴露しているようなものじゃないか!」



