他の令嬢には優しく接することができても、いざエステリーゼを前にすると緊張が上回って紳士らしく振る舞えない。
愛想よく微笑めばいいのに、なぜ彼女には小馬鹿にした笑みしか向けられないのか。
(どうして俺は……こんなにもだめな男なんだ)
意識すればするほど空回りしてしまい、結果的に皮肉ばかりを口にしてしまう。
これまでひどい態度を取ってきた自覚はあるだけに、本音を打ち明けたとしても、すぐに彼女が心を開くとは到底思えない。
おそらく俺が褒め言葉を言ったところで、彼女には社交辞令にしか聞こえないだろう。あっさりと聞き流されるのが目に見えている。どんなに美辞麗句を並べ立てたところで、彼女の心には何も響かない。
そのぐらい、彼女には嫌われてしまっているのだから。
(いい加減、この悪癖も直さないといけないのに……なぜひどくなる一方なんだ!?)
もしや婚約者に素直になれない呪いでもかかっているのだろうか。
いや、違う。この口の悪さは、恋心を持て余した男の照れ隠しにすぎない。毎回婚約者の機嫌を損ねているため、これを照れ隠しと表現するには、たちが悪すぎるが。
その日、寝る前の一人反省会は深夜まで続いた。
今日はエステリーゼの十六歳の誕生日パーティーだ。
愛想よく微笑めばいいのに、なぜ彼女には小馬鹿にした笑みしか向けられないのか。
(どうして俺は……こんなにもだめな男なんだ)
意識すればするほど空回りしてしまい、結果的に皮肉ばかりを口にしてしまう。
これまでひどい態度を取ってきた自覚はあるだけに、本音を打ち明けたとしても、すぐに彼女が心を開くとは到底思えない。
おそらく俺が褒め言葉を言ったところで、彼女には社交辞令にしか聞こえないだろう。あっさりと聞き流されるのが目に見えている。どんなに美辞麗句を並べ立てたところで、彼女の心には何も響かない。
そのぐらい、彼女には嫌われてしまっているのだから。
(いい加減、この悪癖も直さないといけないのに……なぜひどくなる一方なんだ!?)
もしや婚約者に素直になれない呪いでもかかっているのだろうか。
いや、違う。この口の悪さは、恋心を持て余した男の照れ隠しにすぎない。毎回婚約者の機嫌を損ねているため、これを照れ隠しと表現するには、たちが悪すぎるが。
その日、寝る前の一人反省会は深夜まで続いた。
今日はエステリーゼの十六歳の誕生日パーティーだ。



