表面上は穏やかな笑みなのに、その瞳は全然笑っていない。嫌な予感がした。
(──間違いない。これは返答を間違ったら即アウトなやつだ)
ゴクリと喉が鳴る。背筋がピンと伸びた。
「結婚式を間近に控えた婚約者に対して、あまり隠し事はしないほうがいいんじゃないかしら。心証が悪くなるわ」
ごもっともな意見に、俺はうなだれた。
「…………俺だって、君に隠し事はしたくない」
「だったら、包み隠さずに全部話して。きっと楽になれるわよ」
「そんな……そんなことをしたら、俺は……」
「もっと信用してよ。わたくしはジュードの妻になると決めたのだもの。どんなことだって受け止めてみせるわ」
エステリーゼの慈悲深き声が、じわじわと理性を揺さぶる。
抗いたいのに抗えない。まるで遅効性の甘い毒に冒されたような感覚だ。
結局、俺は洗いざらい吐いた。
「あっははは! なにそれ! 見てみたかったわ」
エステリーゼは、涙を浮かべながら盛大に笑い転げている。日頃から淑女らしい態度を貫く彼女にしては珍しい反応だ。こんなに笑う姿、初めて見たぞ。
(──間違いない。これは返答を間違ったら即アウトなやつだ)
ゴクリと喉が鳴る。背筋がピンと伸びた。
「結婚式を間近に控えた婚約者に対して、あまり隠し事はしないほうがいいんじゃないかしら。心証が悪くなるわ」
ごもっともな意見に、俺はうなだれた。
「…………俺だって、君に隠し事はしたくない」
「だったら、包み隠さずに全部話して。きっと楽になれるわよ」
「そんな……そんなことをしたら、俺は……」
「もっと信用してよ。わたくしはジュードの妻になると決めたのだもの。どんなことだって受け止めてみせるわ」
エステリーゼの慈悲深き声が、じわじわと理性を揺さぶる。
抗いたいのに抗えない。まるで遅効性の甘い毒に冒されたような感覚だ。
結局、俺は洗いざらい吐いた。
「あっははは! なにそれ! 見てみたかったわ」
エステリーゼは、涙を浮かべながら盛大に笑い転げている。日頃から淑女らしい態度を貫く彼女にしては珍しい反応だ。こんなに笑う姿、初めて見たぞ。



