逆行令嬢は元婚約者の素顔を知る【2/14 後日談追加】

「ちょっと、ジュード? もしかして、体調が悪いの?」
「だ、大丈夫だ」
「本当に?」

 懐疑的な声がしたが、俺はゆるく首を振った。
 いつまで情けない姿をさらす気だ。愛しい妻を心配させるなんて、夫としてあるまじき行為だ。

「エステル。俺の愛を言葉にして君に捧げようと思う。……聞いてくれるか?」
「ええ、もちろん」

 穏やかな檸檬色の瞳は小さくなった自分の姿を映し出している。
 不思議なものだな。こんな突拍子もない事態が起きても、君は柔軟に受け入れてくれ、俺の存在を否定しない。狼狽するこちらよりも、よほど肝が据わっている。
 すぅっと息を吸い込み、口を開いた。

「君なくして、俺はもう生きていけない。エステルは俺にとって、なくてはならない存在なんだ。君が笑ったとき、世界が色づいた。誰かをこんなにも愛おしく思う日が来るなんて、昔は想像していなかった。……俺の心を揺さぶるのは君だけだ。もし生まれ変わっても、俺は君を選ぶ。約束しよう。今世でも来世でも、君だけを愛し抜くと」

 毎日エステリーゼに愛を伝えているが、今日は特に緊張した。