息子には甘い父上でも、筆頭公爵家の当主である。時として非情な判断を迫られることだってある。領地を治める領主として決断を下すはずだ。
(息子の心配はしてくれるだろう。だが次期公爵としての適性を尋ねられれば、首を振らざるを得ない。今の俺では跡継ぎを作ることすら難しいし、エステリーゼ本人の意思はどうあれ、ウォルトン伯がどう思うかもわからない。……い、嫌だ。エステルとの離縁だけは、何があろうとしたくない!)
彼女の夫は俺だけでいい。他の誰かに明け渡すつもりは毛頭ない。
しかしながら、貴族の婚姻は自分一人の気持ちだけではどうにもできない。婚姻は家同士の契約だ。次期公爵になれない俺では、彼女の夫にはふさわしくない。契約が果たせなくなれば、どうなるか。
公爵家のお荷物に成り下がった自分の意見など、そもそも通るはずがないのだ。領地経営はおままごとではない。領民の生活と命がかかっているのだから。
「きっと元に戻る方法があるはずよ。諦めずに一緒に探しましょう」
「エステル……」
(息子の心配はしてくれるだろう。だが次期公爵としての適性を尋ねられれば、首を振らざるを得ない。今の俺では跡継ぎを作ることすら難しいし、エステリーゼ本人の意思はどうあれ、ウォルトン伯がどう思うかもわからない。……い、嫌だ。エステルとの離縁だけは、何があろうとしたくない!)
彼女の夫は俺だけでいい。他の誰かに明け渡すつもりは毛頭ない。
しかしながら、貴族の婚姻は自分一人の気持ちだけではどうにもできない。婚姻は家同士の契約だ。次期公爵になれない俺では、彼女の夫にはふさわしくない。契約が果たせなくなれば、どうなるか。
公爵家のお荷物に成り下がった自分の意見など、そもそも通るはずがないのだ。領地経営はおままごとではない。領民の生活と命がかかっているのだから。
「きっと元に戻る方法があるはずよ。諦めずに一緒に探しましょう」
「エステル……」



