そのとき初めて、父上が女性には優しくしろといった意味がようやくわかった。
「小さくなって震える君を見て、くだらない矜恃で人を傷つけていた自分がひどく情けなくなった。君がいなければ、そんな感情にすら気づかなかった。だから、君には心から優しくしたいと思ったんだ。情けないだろう…………俺は」
社交界で見せている俺は、あくまで公爵家嫡男としての表向きの顔だ。
中身はプライドが高いだけの不器用な男だ。
これではエステリーゼにふさわしい男とは言えない。それでも譲れぬものはある。
「エステリーゼ。情けない俺だが、君だけは手放したくない。君の笑顔をずっと近くで見たいんだ。どうか俺を選んでくれ」
まさか女性をこんなに必死に口説く日が来るなんて、幼い自分は想像すらしていなかっただろう。過去の自分が今の姿を見たら、きっと驚くに違いない。
「…………ジュードは、わたくしのことが好き?」
「好きだとも」
間髪を容れずに答えると、エステリーゼは瞳を揺らした。
「妖精の森に迷い込んだような美しい緑の髪は口づけしたいくらいだし、きらきらと輝く檸檬色の瞳も好きだ。君は姿形だけでなく、性根も優しい女性だ。君以上に、未来の公爵夫人としてふさわしい女性はいない」
どれも、ずっと直接伝えたかった言葉だ。
俺が贈った花を愛おしそうに見つめる姿に何度ドキリとさせられたことか。
「小さくなって震える君を見て、くだらない矜恃で人を傷つけていた自分がひどく情けなくなった。君がいなければ、そんな感情にすら気づかなかった。だから、君には心から優しくしたいと思ったんだ。情けないだろう…………俺は」
社交界で見せている俺は、あくまで公爵家嫡男としての表向きの顔だ。
中身はプライドが高いだけの不器用な男だ。
これではエステリーゼにふさわしい男とは言えない。それでも譲れぬものはある。
「エステリーゼ。情けない俺だが、君だけは手放したくない。君の笑顔をずっと近くで見たいんだ。どうか俺を選んでくれ」
まさか女性をこんなに必死に口説く日が来るなんて、幼い自分は想像すらしていなかっただろう。過去の自分が今の姿を見たら、きっと驚くに違いない。
「…………ジュードは、わたくしのことが好き?」
「好きだとも」
間髪を容れずに答えると、エステリーゼは瞳を揺らした。
「妖精の森に迷い込んだような美しい緑の髪は口づけしたいくらいだし、きらきらと輝く檸檬色の瞳も好きだ。君は姿形だけでなく、性根も優しい女性だ。君以上に、未来の公爵夫人としてふさわしい女性はいない」
どれも、ずっと直接伝えたかった言葉だ。
俺が贈った花を愛おしそうに見つめる姿に何度ドキリとさせられたことか。



