「何してんだよオマエ。ケータイも持ってかねぇし」


「忘れた。連絡取れなくて、困ってた」



「そんな風には見えねぇよ」



「てんちょが、見つけてくれたから。嬉しい」



相変わらず、淡々と話して寂しさも不安げな顔も見せないけど。



迷って、実はほんとに心細かったんじゃないかって。



嬉しい、って言ったコイツの顔が、少し笑ってるように見えたからさ。





「…え、何?」


「いやぁ?なんつーか、ネコみてぇ?」



「髪の毛、ボサボサになる」


「んー、だなー」



「でも、イヤじゃない、よ」


「そーか」



俺も割と、お前の頭嫌いじゃねぇよ。