ってねぇじゃん!!
え、俺自分の分身みたいなもんなのに、置いてきたわけ?
1人でへこんでガックシ項垂れる。
ニャー。
ふと、ネコの鳴き声が道の奥から聞こえてきた。
なぜだか俺にはそれが、アイツの呼ぶ声に聞こえて。
おもむろに鳴き声のする方へ進むと、野良猫とじゃれる小さく丸まったアイツがいた。
探し出せんだなぁ、俺。
ふとそんなことを思っていたら、不意にアイツが俺に気づいたようで、顔を上げた。
「あ、てんちょだ」
「よお、迷子の少女」
「なんでここにいるの?」
「それこっちのセリフじゃね?」
「そうなの?」
そうなの。


