目の前にあるのは、アイツのケータイか?
なんで忘れていくかね…。
ブー、ブーとバイブが響く。
ディスプレイに映し出されているのは、お兄ちゃんの文字。
え、俺出たくねぇよ?
まぁ躊躇ったところで、出るまで鳴り続けるよな…。
って、迷ったあげく電話をとった。
「…もしもーし」
「愛しの小兎の声じゃない」
「そんなドスの効いた声やめてくださいよ…」
「小兎は!?オマエ、小兎をどこへやった!」
「犯人じゃねぇんだけど俺…」
「現行犯か!?」
だから犯人じゃねぇっつの!!
アイツの兄、一織は、完全にシスコンだ。
なんならロリコンかもしれん。