その後も校舎をグルッと一周して、クルミ先生とはお別れの時間になった。




「ありがとう、ございました」



「どういたしまして!じゃあ、今度来るのは来週の月曜日。みんなで待ってるからね〜」


「はい」




元気なクルミ先生とお別れして、私は校舎を出た。




高校1年の秋。


やっと私は入学する。





帰りもてんちょの地図を頼りに歩いた。



その途中で、可愛いネコをみかけたのが運の尽き。



気づいたらルートからかなり逸れて、全く分からない場所にいた。



土地感のない私は立ち止まる。








「…迷子の、コネコ?」



目の前にいる野良猫が、首をひねった気がした。