ゆっくり身支度をして、ようやくミカ君はスーツを身にまとった。



スーツは堅苦しくてキライなんだって。





「じゃあ、行ってくるよ」


「いってらっしゃい」




「小兎」


「うん」



「お留守番、しててね」


「うん」



いつも、見送る側。



ミカ君の言う通り。


この場所で、今日も1人過ごす。




この、“檻”の中で。







ミカ君が家を出てからの私は、ボーッとしていることが多い。



そしてふと立ち上がって、家事をする。


疲れたら、ベッドに飛び乗る。




これの繰り返し。