朝は低血圧なせいもあるんだろうか。



こうやって、子どもみたいな1面も見せるミカ君。


後ろ髪の一つの束が逆立っている無防備な姿のミカ君は、朝だけの特権だ。



「ん…なぁに」


「ミカ君、髪、はねてる」


「直して、小兎」



「うん。こっち、来て」



小さく屈んでみせるミカ君のはねた髪の毛をおさえてみる。



離すとすぐにピヨンと戻って面白い。


水で少し湿らせて、ドライヤーをかける。



ミカ君のお世話が当たり前になってきたなぁ。



直ったよと伝えれば、ニコッと笑った。




「小兎にネクタイも結んでもらいたいんだけど」


「まだ、練習中なの」


「実物ないと、上手くならないよ」


「ミカ君のネクタイ、貸してもらってる」



「え、盗っ人?」


「借りてます」



小兎のモノは、僕のモノって言っちゃうのに。


ミカ君のモノは、私のモノじゃないみたい。