「ナニ考えてるの?」



「昔の、こと」



「そんなこと考えてる暇あったの?」



「あっ…。ごめんなさ、」


「いいよ。そんな余裕、すぐになくしてあげるから」





ミカ君は、天使みたいだった。



いつも笑っていて優しくて、小兎、小兎って微笑んでくれるミカ君。




好きになったの、一瞬で。



ミカ君と過ごす日々が楽しくて、離れたくなくて、ずっと傍にいたくて。



ミカ君も同じ気持ちだった。






…今も?






「じゃあ、シャワー入ってくるよ」


「…」



「寝ちゃった?可愛いね、小兎。愛してるよ」





額に落とされた口づけ。




変わらない日々だったのに、いつからか少しずつ変化していた。





コレって、こんなにも業務的なモノだった?



疲れたミカ君が、私をモノのように扱っている気がするの。



使ったらもういらないモノ、みたいに。