「ククッ。いいねぇ、その顔。堪んないねぇ」


「イジワルだ…」



「好きな子いじめるタイプだって言ったろ〜」


「度が過ぎる…!」



「今日は嫌だって言われても、やめる気ねぇから」


「は、はい…」


「いい返事。ヨシヨシ」



なでなでして機嫌を取られ、てんちょには敵わないと観念した。



少し休憩したら、さっき車で通った温泉街に出向くことになり、手を繋いで外に出た。



のんびりと、紅葉を背景にお散歩。


てんちょとも、他愛のないお話。



温泉街に着いたら、美味しそうなものや珍しいお店がズラーっと並んでいて。



迷子になりそうな私の手を、てんちょはポケットに入れて離さなかった。