そうだよね、てんちょみたいな人、26年間も生きて何もないわけない。




子どもは、さすがにビックリしたけど…。



律騎さんと取っ組み合いをしているてんちょの話から、別に私に内緒にしようとは思ってなかったみたいだけど…。


やっぱり、隠してた。



私ばっかり過去の話をてんちょに知られて、私にはやっぱり何も話してくれていなかった。





なんだろう。


なんていうのかな、この気持ち。





…寂しい?





「てんちょ」


「…あ、何?」



「そろそろ、ウランちゃんと菻之介来るよ」


「ゲッ。もうそんな時間かよ」



「私、お豆の様子、見てくるから」


「あ、ちょ、小兎!」



てんちょの目、見れなかった。



反射的に、逃げちゃった…。