オマエが堪らなく愛しいよ。

恥ずかしさのあまりトボトボと足取りが遅くなると、ピタッと繋がった手の先のアイツが立ち止まる。



それに連動して、俺も足を止め振り返ると、真っ直ぐに見つめられていて。




「小兎、よく20歳に見間違えられる」


「…は?」



「お兄ちゃんと遊びに行った時、映画館で大人料金にされたことあるし、香水見てたら大人っぽいの勧められたことある」


「へぇ。それで?」


「だから…周りから私はあまり高校生って見られてなくて、てんちょの心配するようなことにはならないと、思う…」



「制服は、危ねぇけどな」


「あっ…」


「ガキに気ぃ遣われちゃーなぁ」



「子供扱いするの、てんちょくらい…」


「俺の前くらい、気抜いてガキらしくいてくれたほうが可愛いよ」




まさか、小兎に慰められるとは。


大人も所詮は、ガキンチョだな…。