「うし。タバコなくなったし買い行く」
「うん。…ね、てんちょ?」
「んー?」
「手は…このまま?」
「外出て迷子になったら困る、を口実にこのまま」
「うんっ」
「はよ行くぞー」
手を繋いでオレンジの中を歩いた。
にしても、隣のカノジョはまるで歩く人形で。
美少女と髭のオヤジって…周りからどう見られてるやらでやや心配。
コイツは、気にしねぇのか?
「釣り合う、釣り合わねぇとかって、気にするタイプか?」
「それって、私とてんちょのこと?」
「一般論で」
「てんちょ、ワイルド。確かに見た目はオジサンだけど、小兎が惹かれたのそこじゃないから」
「はっきりオジサンっつったねぇ?」
「てんちょって、そういうの気にするタイプだったの?」
「警察に突き出されねぇか心配なだけ…」
ダサ…。
女子高生に悟られた…。


