起きるの、やめよう。



面と向かって言われるの、今は無理だよ。


ちょっとメンタルやられそうだから…。




寝たフリをしつつ、てんちょの話に耳を傾ける。



あーあ、何言われるんだろう。


ごめん、とか言いそうてんちょ。



私、嫌じゃなかったんだよ。



そんな言葉が聞きたいわけじゃないのに…。





私が、聞きたいのはね…。






「悪ぃ…そう思ってっけど、なんつーかちゃんと俺の意思もあったと思う…つーか」



「…」



「大人だから、虚勢はって、オマエの気持ち気付かないふりして、自分の気持ちにも気付かないふりしてたわ」



「…」



「ただの、見栄っ張りなオジサンだよ」




ははっ、て乾いた笑い声が聞こえた後、大きな手が、私の頭に乗せられる。


そして、優しく2回、ポンポンされて。







「俺さ、」


「…」





「オマエが堪らなく愛しいよ」





そんな言葉が、降ってきた。