おそらく、朝になった。
あの後、ヤケ酒をしてから記憶がない。
二日酔いっつーのも、こうふわふわした感覚が気持ちいいんだよなぁ…。
お、この毛並みは…豆太か?
まぁ、逃げんなって…。
「…てんちょ、あの、」
なんだ、豆太喋れんのか…。
どっかで聞き覚えあるような声だけど…。
小さくて可愛いな…。
「酒クサイ…」
「るせ…」
抱きしめた豆太は、心地よくて。
寝ぼけて、そのまま…キスした。
人肌以上に温かいその温度が、俺を癒す。
…にしても、暑すぎねぇか?
だんだんと眠気が覚めてきて、目を開けたら目の前にはアイツの顔。
若干、頬が火照り気味。
「てんちょの、バカぁ…」
その一言とともに、コイツは溶けた。