オマエが堪らなく愛しいよ。

私の目の前で、ナイフ掴んで、手首傷つけようとした。


この手を離したら、ミカ君が壊れちゃう。


その時の私は、そう思ったの。




今でも、その時のことを思い出すと怖くなる。



あの時私がいなかったら、守れなかった命だった。



ミカ君のために何かしないと、って。


そう、決心していた…のに。




「怖い。ミカ君が私が目を離した隙に、また同じことをするんじゃないかって。ずっと、怖くて。ミカ君を守らないといけないって、ずっとそばにいなきゃって思ってた」






「…手、貸してみ」


「…うん」



「こんな小さい手でさ、守れるもんなんて限界あんだよ」


「そ…だけどっ」



「オマエの方が、背負ってたんじゃねぇの?その彼氏も全部。オマエ、頑張ってたんだな」


「っ…」



「首振って否定しても俺にはわかった。オマエは…小兎は頑張り屋で、泣き虫ってことがな」




泣き虫…?


だれ、が…?