「エマっ」
そんな私を見て先程まで無表情だったレオが耳を赤くして私を睨みつける。
レオはリアムやルークよりも感情が表に出やすい。
彼が思っていることが私は手に取る様にわかる。
レオは今最高に嫌な気分なのだろう。
だが、私はそのリアクションが可愛いし、面白く気に入っていた。
「さすがレオのチョコレートね。すごく美味しいわ。もっとちょうだい?」
妖艶に微笑んでレオを見つめる。
レオは私を睨みながらもどこか焦がれるような燃えるような瞳をして再び私の口へチョコレートを運んだ。
どんなに嫌でもレオは私の命令に逆らえないし、私を愛しているフリをしなければならない。
「ん、はぁ」
「…エ、エマ」
今度はレオの指と一緒にチョコレートを舐めた。チョコレートが溶けてなくなるまで私はそれを続ける。
舐めながらレオを見てみるとレオは苦しそうに私を見つめていた。
「あぁ、レオの指と食べると本当に美味しいわ。幸せな気分よ」
レオの魔術の効果もあって今の私は気分がいい。
気分よくレオに私は微笑む。
「…レオ、アナタもアナタの魔術の素晴らしさを確かめてみたら?」
私はそう言ってチョコレートを手に取るとレオの口へチョコレートを運んだ。
するとレオは嫌な顔一つせずそのチョコレートと舐め始めた。
「はぁ、ん」
色っぽい声を出しながらレオはチョコレートを私の指ごと一生懸命舐める。
未だにレオの耳は真っ赤だ。そのことがレオの私への憎悪と羞恥心を伝えるようで思わずゾクゾクしてしまった。