「これでよし!!…なのかな?」




ある日の朝、制服に着替えた私は鏡の中の自分と睨めっこしていた。



稟琉におすすめしてもらった美容系youtuberの動画を何回も見て、時には一時停止したりして、なんとか一通りメイクしてみたけど…




なんか…眉毛の形変じゃない?


アイシャドウ濃くない?


まつげ…あんまり上がってなくない?




ああああ!何で高3になるまでろくにメイクしてこなかったの私!ばかー!!





「何してんの優里、もう家出る時間じゃない?」




振り向くと、私服に着替えた采斗が机に突っ伏していた私を不思議そうに見ていた。




今、采斗は今度の主演舞台にむけて稽古の真っ最中。


今日も朝から稽古らしく、もう少しで佐保さんが迎えに来ることになっている。