「…優里…」



采斗の少し潤んだ瞳が近づく。



あと少しで唇が触れ合う、時





「ねえママーッ!チューしてるよー!」


「やっ、やめなさいタカキ!」




はっと周りを見渡すと、何人かの子供たちwithお母さま方が食い入るようにこちらを見ていた。



私たちを指さしていた男の子のお母さんが、慌てて男の子を引っ張って公園を出ていく。




わ…私ったら…



なんてことを!!!!




「どうしたの?優里、顔が真っ青だよ」


「ど、どうしたのじゃないよ、私たちったら野外で…何を!」


「ああ大丈夫だよ?俺今サングラスしてるし、誰にもバレてないって」


「ああサングラスって本当に偉大…ってそうじゃなくて!」






今、完全に外だってことを忘れてた…!私ってばさっそく浮かれすぎじゃない!?






「帰る!!」


「えっ、優里?」」





ダッシュで家に戻る。




こんなんでは先が思いやられる…しっかりしなければ!




さっきまでの采斗とのやり取りに胸をドキドキさせながらも、私は走りながらそう誓った。