「ありがと一岡。すっごい助かる!」



にっこり笑ってお礼を言うと、なぜか更に一岡の顔が赤く染まった。



「お、おおおう…」


なぜか噛んでるし。



「どしたの一岡。なんか変じゃない?」


「う、うっせ!変じゃねーよ!いたって通常だわ!」


「そう?もしかして一岡も風邪?」


「だから何でもねーって!」




突然、一岡が手を伸ばしてきて、私の頭をグチャグチャにした。



「つか突然休んでんじゃねーよ心配すんだろ!」


「ちょっやめてよ髪の毛めちゃくちゃになるじゃん!」


「やめねー!」




なんとか一岡の手から逃れようともがいていると




ドンッ…!!




「…は?何、今の音」




采斗の部屋のドアを、思い切り内側から叩いたような…そんな音がした。



「こわっ、もしかしてドロボー!?」



ブルッと身震いする稟琉。




「俺見てくるわ」



そう言って立ち上がった一岡を慌てて止めた。




「だっ大丈夫!たぶん物落ちたんだと思う…!ちょっと見てくるね!」




もうっ、何やってるの采斗!