「ん…熱いね」



ドクドク心臓の音が速いのは、熱のせいなのか、それとも…




ふと、さっきの都さんの胸元に広がる赤い痣を思い出してしまった。





『時々こういうことをするんです、YUUは。ストレスの多い世界ですから』





「っ、や、めて…」



「優里?」




采斗の胸を押して、離れた。



グルン、と采斗に背中を向ける。





「ごめん、体辛いよね…お粥作ろっか?それともゼリーとか買ってくる?」





采斗はこんなに優しいのに…





『彼にとっては遊びです』




佐保さんに突き付けられた言葉が、頭から離れない。





「…采斗。聞きたいことが、…あるんだけど」



「何?」



「采斗にとって…私は、」





ブー…ブー…ブー…





私の言葉を遮るようにスマホが震えた。




画面を見ると稟琉からの電話。





「いいよ、出なよ」


「うん…ごめん」




画面をタップして、スマホを耳に押し当てた。





「もしも…」



『あっ優里!?大丈夫!?今、マサと優里のマンションのロビーにいるんだけど!今から部屋行くね?」



「…え!?」