「…失礼。本当は全てYUUから聞いていました」



バツの悪そうな顔で私を見る佐保さん。



「あなたと同居することも、…婚約の話も。聞いてはいますが、了承はしてません。あなた方のお母様にも、ほとほと頭痛がします」




都さんは本当に頭痛がするように額をおさえた。




「特に遥香さん…全くご自分の息子さんのことを分かってらっしゃらない。YUUが今、どんな立場にいて、どれだけ大事な時期に…」


「都さん。言ったはずだよ?俺の人生は俺が決める」



采斗が私の隣に来た、と思ったら、ぐいっと肩を抱き寄せてきた。



「俳優のYUUだけが俺の人生じゃないから」


「……それも何度も聞いたわね」




都さんはため息をつくと、きっと私を鋭い目で射抜いた。




「YUUにも散々言いましたが、柏木さん。
YUUはあなたと違って世間の目に晒される立場です。

あなたとのことが公になったら、バッシングを受けるのはYUUなんです。

絶対に、絶対に死ぬ気で命にかえても、この同居は秘密にしてください。いいですね!?」



命に…かえても…




「いいですね!?」




佐保さんの眉間に皺が寄る。




「はっ、はい!」



「よし。今の言葉、絶対に忘れないでくださいね」



「は、はい…」




なんか大変なことになってしまった…