プリントに目を落とすと、サングラスにマスクをつけ、黒い帽子をかぶった不審者と思わしき人物のイラストが描かれていた。



「現れるのは決まって早朝で、学校の周囲を執拗にウロウロしているらしい。今朝は朝練に来たサッカー部の生徒に声をかけ、学校内に入れてくれと迫ったそうだ」



…えー、なんか気持ち悪い。



「声からして若い男ということだ。というわけで、みんなくれぐれも用心するように」



先生のその言葉を最後にSHRは終わった。







「ねえ優里ー」




一時間目の授業が始まるまであと10分。


稟琉が私の席にやって来た。手にはさっき配られた不審者のイラスト。




「この不審者って、もしかして優里の隣人じゃない?」




隣人…って、采斗のこと!?