「…別に私は采斗のものじゃ、っ!?」



私の言葉を飲み込むように重ねられた唇。



朝学校に行く前にされたキスとは違う。




まるで噛みつくみたいなキス。





「…ん、はっ…」




思わず声が漏れて


私は慌てて、采斗の胸を思いっきり両腕で突き放した。




そのままの勢いでビンタする。




「…え」




我に返ったように瞬きした采斗が、殴られた頬をおさえて私を見た。




「…なんでこんなことするの」




ガラガラと崩れていく。


私の中の、優しくて、可愛くて泣き虫だった采斗の面影が。




「なんでキスするの。はじめてだったのに…」



「…優…」



「采斗なんて大っ嫌い!!」