「何言ってるの!?本人同士に何の確認もなく何勝手なこと言って…」


「安心して優里ちゃん!采斗はすでに了承済だから!」




嘘でしょ!?と思って采斗を見ると、采斗は優雅に紅茶を飲みながら「うん。俺は別にいいよ」と微笑んだ。




「ちょっ…待って采く…采斗、何言ってるの?このままじゃ私と…け、けけ、結婚させられちゃうんだよ!?」



「うん、別にいいよー」





ちょっと待って!?返事が軽すぎない!?軽すぎるよね!?とても“結婚”という人生で最重要事項の決断をする時の返事じゃないよね!?



しかも私たちまだ高3なんだけど…!



しかもしかも采斗は…





「采斗は芸能人なんだよ!?」



「それが何?」




マグカップを机に置いた采斗が真面目な顔で立ち上がっている私を見上げる。





「俺の職業が何か関係あるの?優里は職業で人を差別するような人間だったの?」




えー…なんで…なんで采斗もママも采斗ママも…



私ひどい、みたいな目で私を見てくるの!?





この場にいると、私がおかしい、みたいな気分になってくるけど。違うよね?私が一番まともだよね!?



負けるな私!!





「とにかく私は絶対絶対認めないからー!!」