「はぁ?ゴミ捨て場?」



「そっそう!ゴミ捨て場の…掃除当番のことで熱い討論を交わしてたの!ねぇ采…じゃない、お隣さん?」


「うん、そうだよ。お互いつい熱が入ってしまって」




さすが人気俳優なだけあって采斗の演技はすごくナチュラル。でも…




「…なんか柏木、すっげー汗かいてね?」




私はそうもいかないわけで!!




「そ、そう?そんなことないけど!?」


「いやかいてる。なんか顔も赤いし。熱でもあんじゃ…」




一岡が私に向かって伸ばした手を、パシッと采斗が払った。




「…は?何すんだよお前」



采斗を睨みつける一岡。



「別に?でも女の子に許可なく触るのはよくないよ」


「お前も触ってただろーがさっき!お前なんなんだよ!?そんな怪しいカッコしやがって、柏木!こいつとどういう関係だよ!?」


「ど、どういうって…ただの隣人…?」




なんで余計なことすんの采斗ー!!




「もういいから!学校行こ一岡!稟琉も!!」




まだ何か言いたそうな一岡となぜかワクワクした顔の稟琉の背中を押してなんとかその場から離れた。




少し離れたところで振り向くと、まだ采斗はそこに立って私たちを見送っていた。



もう!早く家入ってよ…!