「覚えてないのって…優里待って」 「待たないっ、夕飯もいらないからっ!」 自分の部屋に飛び込んで鍵をかけた。 なんかこれ、昨日の夜と同じじゃん… 私一体何やってんだろ。 采斗が昔と変わってることなんて…当たり前なのに。 「はぁ…もう、やんなる」 ズルズルと床に座り込む。 でもショックだった。 私が覚えていることも、采斗はもう覚えてないんだ。 私が大切にしている思い出も、もう采斗には全く価値のないものなんだって、思い知らされた気分だった。